マカロニ。

おたく魂をぐつぐつ煮込んで

コンサートに関わるお仕事 ~グッズ売り子の一日編~

気付けば3月も半ば、NEWS QUARTETTOツアー初日も目前!!そして公式にグッズの詳細が出ていましたね。

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頑張って安く抑えてくれた感がにじみ出る価格設定ですね。もっと高いかと思っていました。特にオールゴールとパーカー。他アーティストだと5000円オーバーで出してるイメージだったので…。さてこの中のどれがまっすーの言う「伝説のグッズ」なんだろ?値段をみてますますわかんなくなった。

 

・・・ということで、満を持して売り子のお仕事記事公開です!

物販の列に並ぶとき、あぁ売り子さんはこんな仕事してるんだなぁ…とこの記事を思い出して彼女らを労って頂けたら幸いです。

 

 

***

 

学生時代、結構色んなバイトしてきた中の一つがコンサートに関わるお仕事。今回はグッズ売り場の売り子のお仕事を紹介します。

 

※以下は日本のとある地方での、ホール・アリーナ公演が中心のお話です。おそらく地方ごとの違い、首都圏公演との違いは多々あると思いますので、ふんわり軽くやわらかな気持ちで読んで頂ければと思います。

 

◎きっかけ

当時私はラルクを追っかけて全国行脚するバンギャで、「追加公演行きたいけどバイト代振込までまだ日数がある無理ぽ…」と嘆いていたところ、「即日即金手渡しの良い仕事ありまっせ」(こうやって文字で書くと超あやしい)と大学&バンギャの先輩に紹介されたのがきっかけでした。紹介以外にもいくつかこの世界に入る方法はあるので、後のQ&Aで解説します。

 

◎基本装備

◆必須アイテム

・電卓(画面、ボタンともに大きいもの。)

・カッター(太いもの。段ボールをバラす作業等があるため)

・油性マジック(太いもの細いものどちらもあると便利)

ほかにリストバンド(タオルで汗を拭く暇も惜しい)、小さなメモとボールペン(後述する検品時にあると便利)、ガムテープ(共用のがあるけど自分でも一つ持ってると楽)、上記アイテムを入れる斜めがけorウエストポーチ(美容師さんやメイクさんが持ってるようなもの)があると便利です。

◆服装

ボトムは必ず長い丈!紙やカッターでのケガ防止のため、スカートや短い丈は厳禁。ポケットが多いと便利です。トップスは販促でツアーTシャツを着ることが多いので、着替えやすい恰好で。更衣室なんて無いのでタンクトップ+Tシャツ/ジャケットパーカー*1のような恰好がベター。足元はもちろんスニーカーかワークブーツ。かなり体を動かして汗をかくし、汚れる作業も多いのでおしゃれはしない方が無難です。

 

◎仕事の流れ

※『キャパ2400人程度の地方ホール、17時開場・18時開演』を想定した一日の流れです。

 

▽12:00 

物販ブース前に集合。

点呼をとってスタッフパスを受け取り*2物販ブースへ。このときのメンツを見て、物販の社員さん*3から物販チーフを務める人が指名されます。定期的に現場に入って顔を覚えてもらえれば4回目くらいでもう中堅扱いとされ*4、チーフを務めることが多くなってきます。

 

▽12:10

社員さんから今回売るグッズの説明を受けます。

グッズの種類、サイズ、パンフレットの内容*5などに加え、各グッズの売れ行き、在庫状況、多く売ってほしいグッズや逆に在庫を温存しておきたいグッズなど、かなり指示は細かい。また、このときにメンバーの愛称やメンバーカラーも説明されます。ジャニーズをはじめアイドルは名前からかなり飛躍した愛称がある上、名前ではなく愛称やメンバーカラーで注文するお客さんがとても多いので、ここでボンヤリしてると痛い目に合います。*6

 

▽12:20

悪魔の検品タイム( ゚Д゚;)

検品がいっっっちばん嫌いな作業でした…。グッズの在庫数が合ってるかを確認する作業なのですが、ウン百~ウン千個もあるグッズを手作業で数えながら、グッズ展開を頭に叩きこんでいきます。気の遠くなる作業…小さいものは細かくてバラけて数えにくいし、タオルや大きいものは場所をとって数えにくいし、段ボール未開封のものは開封せず箱単位で数えればいいけれど、とんでもないところに箱が隠れているというトラップがあったり、細かいグッズがあちこちのダンボールに混載されてて全然数が合わなかったり。(この時間は大抵、「なんでこんな梱包してんだよ!!」と前公演の売り子への悪態をつきながら段ボールをバラしている。)しかも精度を上げるため「二度検」という、一つのグッズを2人別々に数えていくスタイル(例:ストラップをAさんBさんそれぞれ1回ずつ数え、Aさんの申告数、Bさんの申告数が合っていればOK)をとる*7ので、まーーーぁ面倒くさい!

これ数えた?まだなら数えるか…え、数えてある?じゃあこれやるか…いやダメだストラップはさっき自分で数えたわ…

みたいなぶつくさアタフタを繰り返します。ほんと苦手だった、検品…。

 

▽13:30

売り場セッティング。

長机を横に並べ、机上にグッズ一覧表と小物のサンプルを貼り、パンフレットを積む。売り子の間に設置したパイプ椅子の上に、段ボールで組んである釣銭箱、ストラップや缶バッヂなどの小さいグッズを仕分けて入れた小物箱、タオルやTシャツをサイズ順に詰めたTシャツ箱を設置。その後方には段ボールに入れたままの各グッズの在庫をスタンバイ。

売り場の他にもサンプル用のTシャツをハンガーにかけたり、集まっているお客さんへグッズ販売開始時刻のアナウンスをしていきます。

 

 

▽14:00

販売開始!

ここからは集中力を研ぎ澄ませて挑みます。

長机に売り子が入り、後方に売り子4~5人に対して補充役がひとりつきます*8。開演までが一番の頑張り時(終演後は購買力がガクンと落ちる)なので、とにかく回転数を上げるためにスピード勝負!!

売り子はお客さんからの注文を聞きグッズを机上へ積んでいきます。小物やパンフ、在庫の多いTシャツなどは売り子の周囲にあるので手が届きますが、バスタオルなどの大物や、在庫の少ないTシャツは補充役が管理しているので、それらの注文が入ったら補充役に「TシャツLLお願いします!!!」と吠えて*9渡してもらいます。売り切れのグッズが出れば「TシャツSサイズ売り切れでーーす!!!」と補充役が吠える。売り子はお客さんに対応をしつつ、電卓を叩きつつ、補充役の声を聴いて売り切れのグッズを頭に叩き込む。脳みそ超マルチタスクでフル回転!!基本は現金で支払なので、お釣り間違いをしないように、急ぎつつも計算や釣り銭確認はしっかりと行います。

金額計算は皆さんご存知の通り、基本的には電卓で行います。計算が狂うのを避けるため、「×」ボタンは使わず、すべて足し算で計算するように指導を受けました。

なので、今回のQUARTETTOグッズで、「タオル2つ、パンフ3冊、パーカー1つ、ペンラ2つ、オルゴール1つ、バンダナ3つ」を買うとすると、

  (タオル)2000+2000

+(パンフ)2200+2200+2200

+(パーカー)4500

+(ペンラ)1800+1800

+(オルゴール)2800

+(バンダナ)1000+1000+1000

=24,500円

 と凄まじい回数、電卓のボタンをはじくことになります。このバイト後半のころは休憩時間に練習もかねて電卓早打ちデスマッチとかやってたなー。 

そして最近はクレジットカードで支払ができる公演も増えてきたのですが、個人的には絶対その卓には入りたくない!!なかなかいうこと聞いてくれない決済機械とお客さんからの「早くしろよ」という無言の圧力との板挟みになるのよ…。

 

一方、補充役は補充役で大忙し。売り子の吠え声に応えつつ、少なくなっていく小物やTシャツ、おつりの小銭などをガンガン補充、空になった段ボールを解体。予想以上の売れ行きを見せたグッズがあれば在庫を取りに台車を押してトラックまで猛ダッシュ!それ以外にも売り子が対応しきれないお客さんからの無茶ぶりや問い合わせの対応をしたり*10、とこちらも常に段取りを考えながら動きます。

 

この時間が一番身体的に過酷。野外の売り場だと冬は寒いだけで済みますが、夏はとても過酷になる地方だったのでかなりの気力・体力を必要としました。新人さんやヘルプの派遣さんがバタバタ倒れていくので、結局慣れてるメンツが出ずっぱりで数時間売り続けることもしばしば…。

 

▽18:00

開演。

開演するとそんなにお客さんは来ないので、数卓の売り場のみ開けて、残りの皆で在庫をおおまかに検品し確認、補充を行います。

その後交代で夕食。お弁当とお茶が支給されるので、売り子用の控室がある場合は控室で食べます…が控え室をもらえるのはまれなので、大抵会場や売り場のすみっこで食べることが多かった気がする。このときホールだと音漏れが聞こえてくるので、それが密かな楽しみでありご褒美でした。(残念ながらMCはくぐもってしまって聞こえません。)ご飯後も時間があるので、売り子同士のんびりお喋りをしたり、可愛いグッズがあれば自分たち用に購入したり*11しながら過ごします。

 

▽20:00

終演直前。

社員さんからその日売れ行きがよかったグッズ、MCで宣伝されたグッズ、アーティストがアンコールで着る予定のTシャツの色や種類の伝達*12があります。気合を入れなおして、売り場にスタンバイ。

 

▽20:30

終演。

開演前と同じ要領でグッズ販売。開演前ほどの勢いは無いので売り子は割と落ち着いて販売ができますが、ここで段ボールを開けすぎると検品が大変になるし、在庫が少ないグッズを売り過ぎてしまうと翌公演に響くので、補充役はちょっとピリつきながらグッズを管理しています。

 

▽21:30

悪魔の終演後 二度検品のお時間です…もうここまでくると、みんな声ガラガラだし電池切れ。集中力が続かず何度か数え間違えては検品やりなおし。面倒になって「もうこっちの段ボールに混載しちゃえ…」と小物をTシャツ箱に突っ込んだりする(ここで前公演の売り子に「開演前悪口言ってごめん、混載したくなるよね…」と懺悔)。検品が終わったものから段ボールに封をし、封をしたガムテープに箱に入っているもの、個数を記載。めでたく全てが終わった!

 

▽22:15

…と思ったら荷積み。台車に段ボールを載せて、えっちらおっちらトラックまで運びます。たまに持っていく順番をミスって「Tシャツが先だろがぁ!」と怒られたりする。荷積みを終えたらゴミ拾いや長机や椅子の片付けでさらに残り少ないHPをさらに削られます。

 

▽22:30

〆。

社員さんからひとこと*13を頂いたあと、待望のお給料タイム!当日にお給料がもらえるのはほんっと有り難かった!!初めて現場に入った日は、この時に社員さんに連絡先を渡し、次のお仕事があるときに連絡を貰えるよう頼みます。顔なじみになってくると「来月の〇日来れる~?」とこの場でお仕事を貰ったり、売り子以外のバイトを紹介されることも。

 

〆たら解散!お疲れさまでしたー!地方のホールは辺鄙なとこにあったので、当然交通機関なぞもう走っていない。なので自力で帰るか車持ってる子に乗っけてもらうなどして帰ります。帰りに寄り道して食べるからあげクン、最高に美味かったなあ…(思い出)

 

 

一日の流れとしてはこんな感じです。公演の規模が大きくなればなるほど拘束時間は伸びるし、グッズの量も増えるのでお仕事は大変になります。東京ドーム公演の売り子さんとか本っ当に尊敬する!!トラック一台全部タオル!なんてザラなんだぜ…恐ろしい世界だ。

 

 

◎Q&A

ではここからはバイト時代よく聞かれたこと、頂いた質問について解説していきます。

 

Q:売り子バイトをしたいけどどうすればいいの?

A:紹介してくれる人を探すバイト雑誌から探す、派遣会社に登録して仕事が来るのを待ちましょう。

前述の通り、私は先輩からの紹介でした。このバイトを始めてみると、見渡せばメンツは学生だらけ。交友関係は狭く深く!な私が気づいてなかっただけで、同じ学部の人いっぱいいたよ…。なので学生さんはまず周りのバイト事情を探ってみることをお勧めします。

また、大きな会場での公演はいつものメンツでは人数が足りないので、バイト雑誌に求人を出したり*14、派遣会社からヘルプで入ってもらいます。基本このルートだとその現場一回ぽっきりが前提ですが、イベンターさん・チーフにこっそりお願いしておくと次回直接お仕事を貰えることもあります。

但しこれは私がいた地方での話。関東圏や他都市では、売り子は全員イベンターの契約社員さんが務めているという話も聞いたことがあるので、イベンターの求人を見てみるのも手かもしれません。

 

Q:男子も売り子はできる?

A:残念ながら男子の売り子は見たことないです。

というのも、男子は力仕事=セット組み・バラし・会場警備に回されるから。後述しますがぶっちゃけ男子の仕事の方がオイシい。

 

Q:バイトからそのままコンサート関連の仕事につく人はいる?

A:います。

現場に多く入っていたバイト仲間の一部は、大学卒業後もあの世界に身を置く(売り子に限らずイベンターや事務所に就職するなど)人もそこそこいました。その場合は契約社員として2年ごとに契約を更新していく、というスタイルが殆どだったと思います。かくいう私もイベンターさんに誘われたクチなのですが、仲良くしてた社員さん(age:42)の

 この仕事楽しいけど、婚期逃すわよ。」*15

 という鉛の様に重い一言で、普通のサラリーマンになることを決意しました←

 

 

Q:時給は?

A:普通です。

地方にしては良い方かなーと思うけど、都会からするとそんな良くはないです。交通費支給も無かったし。ただ単純に仕事が楽しかったから気にならなかったし、その日のうちに手渡しで頂けるのは常に遠征病な私は何より有り難かった!

 

Q:芸能人には会える?

A:基本、会えません。

売り子のパスではバックステージはおろか客席にすら入れないので、音漏れが聞こえればラッキー。あとは社員さんからツアーの裏話を聞けるくらい。たまーに売り子を労って挨拶に来てくださったり、自身でプロデュースしたグッズのこだわりを直接説明するために来てくれるアーティストさんもいますが、そういうのは1年に1回有るか無いかくらいです。逆にバラしの男子はバックステージにも入れるので遭遇率は高いし、会場警備はズバリ会場内にいるので音漏れなんてレベルでなく公演を聞ける!*16…羨ましかったなあ。

 

Q:なんで会計計算は電卓なの?レジを導入すれば早そうなのに…

A:電卓が一番身軽で早くて確実なんです。

電卓以外にもバーコード読み取りの機械やクレカ決済の機械を使うこともありますが、とにかく使い勝手が悪い!バーコードを読み込んでくれない、二重読み取りしちゃって最初からやり直し、表示画面が狭くて個数確認がしづらい、地方や半地下の会場だと電波が入らないなどの要因で回転率がぐんと下がったり、お金が合わなかったり。そしてそれらの機械はそもそも重い!かさばる!荷物になる!ただでさえグッズでトラックいっぱいなのに、決済機械まであったら邪魔で仕方がない!!…以上の理由から、売り子私物の電卓でバチバチ計算してしまう方が身軽で早くて確実なのです。使いやすい機械を導入すればいいじゃない、とも思うのですが(もしかしたらもう導入されてるかもしれないですが)、いまはチケット転売対策のシステムにお金を割かねばならない状況なので、物販会計の完全電子化が進むのはまだまだ先かと思われます。

 

※ここ数年、大きな事務所所属アーティストの現場ではタブレットなどが導入されはじめましたね!ライブハウス規模だと普及はまだまだっぽいですが、現場がどんどん便利になっていって欲しいな。

 

Q:メンバーによってグッズ準備量の差はあるの?

A:ありますが、たぶん皆さんが思っているほどでは無い…と思います。

私が入った現場での印象では、差はあれどそんなに爆発的な差は無かったと思います。じゃあなぜ売り切れが出るのか?というと…いくつか要因がありますが、

①グッズの準備数に差があった

②前会場で思わぬ売れ行きを見せ、在庫補充が間に合わず少ないまま販売開始、すぐ売り切れてしまう

③次会場に在庫を回すために売り切れ前に販売を打ち切る(※お客さんには「売り切れ」とアナウンスする)

①がいちばんに思い浮かびがちな要因ですが、実際は②③の方ばかり経験しました。地方ではリサーチに反して「なんでココでコレがこんなに売れるの?!」「なんで今日は〇君のうちわばっかり売れるの?!」っていう事態が多々生じます。マジで。それの帳尻合わせをよく③で行っていました。なので『売り切れ=在庫が少ない=そのメンバーは人気がない、と短絡的に結びつくものではない』と考えておいてください。

 

Q:困ったお客さんってどんな人?

A:ただの売り子の愚痴になりそうですがww

 

☆「私、Tシャツのサイズいくつですかね~?」

知るかよ。私に聞くなよ。

かなり多いんですよ、こういう人!!知らないよ!!無難にMサイズ勧めても「え~でも私着太りして見えるタイプだからぁ~」とかうるせぇな面倒くさい!だったら黙ってSを買え!!売り場入り口にはサンプルかけてあって当ててみることもできるし、売り子に言ってもらえれば売り場卓でもサンプル出せるのでご自分で決めてください…!(でもできれば並ぶ前に決めておいて貰えると助かります。回転命!なので…。)

 

☆「売り子ってファンの人がやってるんですよね!私も売り子やって〇〇君に会いたいんですけどどうやったら売り子になれますか!」

ファンじゃねえよ 売り子じゃ会えねぇよ ご注文をどうぞ!!

たぶんファミクラのお手伝いとごっちゃにしてるんだと思うのですが、ジャニコンでは定期的にお客さんからこの質問が出ていました。前述の通り売り子じゃ会えないし、そもそもファンなら普通に客として行くわ!わざわざ音漏れ(すら聞こえない現場もある)というお預け地獄に身を置かないわ!!

ちょっと話がズレますが、大きめの会場で数人ヘルプが入ったとき、そのうち2人が休憩中にダフ屋からチケットを買って会場に入ろうとしました。もちろんすぐとっ捕まって即クビ・出禁に。派遣会社や紹介してくれた人にも迷惑をかけるし、以後どの現場にもスタッフとしては入れなくなります。アーティストに会いたかったら、正規のルートでチケットを買ってお客さんとしてライブに行くのが一番正しく早い方法です。

 

☆「誰のグッズが一番売れてますか?教えて!」

言えません。

どのメンバーのグッズがよく売れたか、売れ筋の順位などを口外するのは厳禁!!社員さんからもキツーく言われます。過去Twitterでうちわの売れ順を公開してた残念な人がいたらしいですが、そんな奴は売り子の神様に呪われてハゲちまうぞ。

 

☆「買ったやつ、ここで袋に入れて。」

これはまぁ…100%ただの売り子の愚痴なんだけども。物販買われたことのある方はご存知だと思いますが、回転率重視のため、買ったグッズはそのままボンッとお客さんに手渡します。その場でショッピングバッグに入れてくれと言われて断ることはしないんですが、できれば売り場を離れてご自分で入れて頂きたい…いや、わかるよ!「込み合った会場でバラバラするグッズを両手に持って移動して、テーブルもないところで自分で詰めろなんて酷い!」っていう気持ちは充分わかってます!でも何度も書く通り回転重視で後ろのお客さんの「早くしろよ」の視線もあるし、うっかり一覧表に貼ってあるサンプルの小物がお客さんの荷物に紛れてしまったら、後の検品で大事になって帰るのどんどん遅くなるし…売り子の我儘で申し訳無いですが、なるべく列からはけた後、ご自分での袋詰めをお願いしたいです。 

 

 

Q:一番印象に残っている現場は?

A:aikoさんのライブ!あれは凄かった!

aikoさんのファン層って、勝手にほっこりおっとり系が多いと思ってたんですが、実際はアツくて体育会系!男性も多くて熱気にまずビックリΣ(゚Д゚)。そしてTシャツのサイズ展開が面倒臭い。種類も多いし、サイズ表記が「S・M・L・LL」ではなく、「ドチビ・チビ・デカ・ドデカ」みたいな呼び方で覚えにくい…でもお客さんは「Sひとつ!」って言ってくる。混乱。さらにガチャ。ガチャコンプのためにためらいもなく500円玉を突っ込む突っ込む!平均10枚は突っ込んでたよ!あんなに500円棒金をバキバキ開封し両替したのは後にも先にもあの日だけでした…

 

***

 

以上、売り子についてはこんな感じです。意外と普通で地味~な割りには体力勝負でキツいお仕事ですが楽しいですよ!ライブ前のワクワクしたお客さんの顔を見るのが大好きだったし、このお仕事でかなり判断力を養うことができました。そうそう、就活ではこのバイトの話をすると面接官の食いつきがすごく良くて、話をたくさん聞いて貰えた事もメリットだったかな。コンサートに関わるお仕事で売り子以外の細かい仕事もいくつか経験したので、それも需要あればまたまとめます。

 

とりあえず今回はここまで!春からのツアーではぜひ、彼女らを心のなかで労いつつ、楽しくたくさんお買い物をしていただけたらと思います。 

 

QUARTETTOツアー、ライブも物販も楽しもうね!読んでくださってありがとうございましたー!

 

 

 

*1:ニッセンのパーカーや今回のツアーパーカーなんてピッタリだね☆

*2:オールエリアパスではないので、会場内・バックステージには入れません

*3:事務所、イベンター、委託業者など公演により様々

*4:地方の場合。都会だともっと現場ふまないといけないと思う

*5:お客さんに「パンフレットの内容ってどんなのなんですか?」と質問されるのは恒例行事

*6:ここでボンヤリしてた同僚は、∞コンで「たっちょん?!」「ヒナ?!」「ナス???!!!」といちいち驚いたせいで、ファンからもチーフからも白い目で見られていました

*7:ひとりで1回数えればいい「一度検」もたまーにある。たまーーに。

*8:補充役は社員さんやチーフ、ベテランが付くことが多い

*9:補充役も忙しいので吠えないと振り向いてもらえない。

*10:お客さん対応しながら後ろ手でグッズ補充

*11:勿論在庫に余裕のあるものを、社員さんに確認してから買います

*12:アンコで着たTシャツ・グッズは終演後の売り上げ一位

*13:売れ行きが良ければ褒められるし、お金が合わなかったりすると勿論お叱りを受ける。

*14:「コンサート販売業務」という記載をされる

*15:決まったメンツで全国を旅する日々で出会いもなく、彼氏ができたとしても休みが合わない。

*16:モチロン警備のため客席側を向くのでステージは見てはいけないけれど