【小ネタ】ライブでの音響とスモークのはなし
先日の音域についての記事、沢山の方に読んで頂けてとても嬉しいです!
「NEWSの曲カラオケで歌いにくいのはそのせいか!!」という叫びをたくさんを目にしましたがそうですこのバカみたいに広い音域のせいです大正解~!
そして今回もライブ前に知っとくと得する小ネタを書いていこうと思います。あくまで小ネタなんで「へぇ(・∀・)」レベルの話*1をざっくり書いていくだけですがお付き合いくださいませ。
1.ライブだと声が高く聞こえるのは何故?
ライブ会場で「あれ?なんかCDやDVDよりも声が高く聞こえるぞ…?」っていう経験をしたことありませんか?キーの高さというより、声そのものが高い、テープを早回ししたようなキンキンした高さ。おかしいなー?昨日別の席では普通だったのに…なんてことも。
人間の耳は不思議なもので、音源との位置関係で受け取る音のバランスが変わってしまいます。ざっくり言ってしまうと、音源に近いほど人の耳は高音域を拾いやすくなる。そのため音源=スピーカーに近い席になるとこの現象が起こり、スピーカーから遠い席では本来のバランスの音を耳が拾うことができます。この現象がおきないようにPAさんが頑張って調整するのですが、これは言うなれば耳の錯覚、人間側の都合なのでなかなか解消するのは難しいようです。なのでスピーカーに近い席になった場合はあらかじめ覚悟しておくのがよいかと思います。
2.どうして開演前からスモークが焚かれているの?
ライブ会場って、入場した時点で既にうっすらスモークが焚かれていますよね。おかげで対岸の関係者席に誰が来てるかイマイチ見えづらいし、双眼鏡のぞいてもちょっとうすらぼんやりして嫌なんだけど!スモークの演出なんて無いなら焚かなくてじゃん!というグチを小耳にはさんだこともあります。
たしかに視界はぼやける。裸眼で自担の表情がぼやけちゃうのが嫌なのもわかる。でもね!このスモークが無いとみんなが大好きな照明演出の効果が半減ないしはゼロになっちゃうのよ!!
そもそも照明は光の演出。そして光はまっすぐに飛ぶもの。故に、本来は光源の正面にいない場合は光の着弾点=壁・床・天井に当たって初めてやっと、壁床天井に反射した光を視認することができます。その場合は見えたとしても点。「光線」を視認することができません。特にレーザー光線は空間的コヒーレンスに優れており光が拡散せずにまっすぐ飛ぶため、普通に光線を見ることはまず不可能です。
※何もしなければレーザーを打っても何も見えない(画像はイメージ)
そこでスモークの出番。
コンサート会場で使用するスモークは、粘度の高い液体*3をスモーキングマシンで圧縮し噴霧することで生成。これでスモーク=細かい液体のチリが空中に浮遊することとなります。そしてこのチリに光が反射・散乱することで、光の進んだ道=光線が私たちの目でも確認できるように。
※スモークに反射してやっと光線が可視化される
レーザー以外の照明も同様の理論。スモークが無くても見えないことは無いのですが、印象的に使われるべきピンスポット照明も、なんだかファ~ン…とした感じになっちゃって全然効果的ではありません。
わかりやすいのはこちらの画像。
お判りいただけただろうか。スモーク*4の途切れている部分は光線がぼやけてますよね。スモークに光が当たることで、より照明の効果を高めているんです。
なのでこんなカラフルでモンドリア~ンな照明も
小山さんの倒錯的な赤と青も
加藤先生の 扉が開くように展開するおしゃクソアーバンなイエローの光も
儚く美しい桜色も
此方と彼方を断絶した孤独の光も
高貴な雪景色も
七色に彩られる幸福な空間も
圧倒的インド感も
みんなみーんなあのスモークのおかげなのです。
視界はモヤっとするけど、とっても大事な役割を担っているので感謝感謝だね。
それにしても。それにしてもだな。
今回この記事を書くために照明メインでWHITEを見返したけど、NEWSってすごく繊細で洗練された照明の使い方をしてるんだね…好き…!!照明だけでも白飯5杯はいける。DVDの人は勿体ないぞ、ブルーレイ導入したほうがいいぞ!是非みなさんもWHITEを、そしてQUARTETTOでも照明に注目して見てくれ!!