マカロニ。

おたく魂をぐつぐつ煮込んで

― U R (not) alone ―

お題「私のNEVERLAND」

 

冒頭からいきなり過激な事を書くけれど、大事な前フリなので、どうか石を投げず最後まで読んでほしい。

 

‐ 懸念と不安

NEVERLANDツアー参戦にあたり、一つだけ懸念があった。

 

「私が"U R not alone"をあまり好きになれない」、という事。

 

好きになれない理由はざっくり2点。

 

00年代後半からmixiやブログを皮切りに発達したSNSの作用で若者が直接的で分かりやすく心情を述べる言葉を好むようになったことをきっかけに、世の中はJPOPにおいても直接的説明的な歌詞の楽曲を好むようになった。

ところがどっこい、私はそんな行間を読ませてくれない歌詞が「この曲はこう解釈しなさい」「これはこういう気持ちの歌だから!」と教科書を押し付けられている気がしてとても苦手なのだ。

 

また私は「人はなんだかんだ一人で生きていかねばならない」という考えが根底にある。

そりゃ支えてもらったり、支えたりと他人に頼る事はたくさんある。でも誰に頼るか、頼ってもらうためにどんな人間になれば良いのか、助けてもらうために日々どのように動いておくべきか、というのを考え決め実行するのは自分だし、親子は他人の始まりだし、夫婦だって他人同士だし、死ぬときはどうあがいても一人だ。だからそんな安易に「あなたは一人じゃない」なんて言わないでおくれよ、と思ってしまう。

 

頑固で捻くれてて、世の中を斜に構えてみてる面倒なヤツだって自覚はある。

だからこの懸念は100%自分の勝手な都合なんだけれど、ライブ終盤にみんなで合唱することが予想されるこの曲が好きになれないことで、私はひとりラストで興ざめしてしまうのではないか、せっかくのライブを楽しめないのではないか、そんな不安があったし、実際にドーム初日では「まーだ歌うのかい」という気持ちにちょっぴりなってしまった。

 

 

- U R (not) alone

 最終日。

Brightestの演出にひとりガッツポーズをしたり、思い切りC&Rしたり、MCでお腹抱えて笑ったりと存分にライブを堪能して、ついに最後の曲がやってきた。

 

前日はアリーナだったこともあり、実はあまりステージもモニタもよく見えてなかったので主に揺れるペンライトを見ていたのだけれど、この日はしっかりとステージに立つ4人が、その表情が見てとれた。

 

額を力ませ、しっかり床を踏みしめながら野太い声で歌うシゲ。

気迫にあふれた表情で、吠えるように体全体で歌うまっすー。

瞳を潤ませながらも、一瞬も逃すまいと会場を見渡す慶ちゃん。

そして、そして、

 

初めて見る表情の手越祐也がいた。

 

涙はためつつも、しっかり歌っている。

でもどこか呆けたような、信じられないというような、状況を把握しきれていない、何で皆こんなに歌ってくれてるのだろうというような、呆然とした表情で彼は会場を眺めていた。

あんな顔、見たことなかった。

ファン歴は短いけれど、手越祐也が人前で弱さを見せたがらない人間だってことくらいは知っている。

そんな、そんな彼が。

「NEWSのシールドになる」と語っていた彼が。

あんなに無防備な姿でステージに立っている。

あんなに気の抜けた顔を私たちに見せている。

そしてシゲも慶ちゃんもまっすーも、凄まじい気迫で、吠えあげるように、苦しそうに、何かと戦うように歌っている。

 

それに気づいた瞬間、涙が止まらなくなった。

 

伝えなければ。

 

この景色は幻なんかじゃないよ、あなたを愛してやまない人がここにいるのだと。何があっても支えたいと思っている人がいるのだと。あと何か色々と込み上げてきたけれど、とにかくこの思いを伝えなければと思った。あなたは世界に一人しかいない、厳しい世界で孤独を感じることがあるかもしれない、でもそんなあなたを愛し、支えたいと思ってる人はここに沢山いるよ。

しゃくりあげながら、とても人様に聞かせられるような歌声では無かったけれど、ぼたぼた落ちる涙を拭うのも後回しに必死に歌い続けた。この曲は今の私には必要ない、でも今、彼らと私たちをつなぐために必要不可欠な曲だ。

この曲を前向きに捉えられるようになった瞬間だった。

 

 

その後の出来事は皆もう知ってるだろうから詳細は書かないけど、あの涙やNEWSコールや合唱は、謝罪とか許しとか感動とか、そんな陳腐な言葉では表せないものだった。どうしようもなく胸がつぶれそうに痛かったけど、不思議な安心感があったことを覚えている。

 

このことに関して外野があれこれ言ってるらしいけど、こちとらどんな不条理な日々も忘れるくらい抱かれたから細けぇこたぁ忘れたんだよ、ゴッホも描けないほどの美しい愛がそこにあったし、彼らの心近く感じて、どんな時も救われてるんだよ、突発的な合唱のあとNEWSと私たちが束の間の静けさのなか見つめ合ったあの一瞬が本当の愛の静寂なんだよ。

 

 

 

 

全てが終わり、友人たちと4連で入っていたのに言葉を交わすこともなく黙々と荷物を片付け、ただただ放心して会場を眺めた。涙はどうしようもなく止められなかったけれど、「現在、総武線は運転を見合わせています」のアナウンスに えー!!、となってやっと気持ちが緩んだ。その後総武線運転再開のアナウンスを聞きながら、なんか凄いものを見たね、ここにいれてよかった、意味を持つツアーになったね、とぽつりぽつり話しながら、現実への階段を登って行った。

 

 

- "U R not alone" in "NEVERLAND"

"U R not alone"、この曲は構成としてはNEVERLANDの外にある曲だけど、実際はまだNEVERLANDの中にいる曲だ。

ステージ上のNEWSは、私たちに向け一生懸命歌ってくれていたけど、まだまだ彼ら自身のために歌っている部分も多い。夏の歌番組で披露を!との声もあるけれど、熱量が大きすぎて今はまだファンしか受け止めきれず時期尚早な気がする。時間をかけて彼らの中でしっかり消化して、成長したこの曲をまたどこかで見れたらいいなと思う。

それまでNEVERLANDの中でゆっくり過ごせばいい。

 

だって、NEVERLANDの旅は永遠に続くのだから。

 

 
f:id:maromayubanana:20170614170140j:image